序章

彼女はバーが好きだった。騒ぐ訳でも酔っ払う訳でもなく、他愛のない話をしながら淡々とバーで過ごす時間が好きだった。

いつも通りの「見舞いには来ないで」と彼女は言った。
理由は訊かなかった。